競輪ステーションをご覧の皆様こんちには。
今回はイギリスで実際にどのような経験をすることが出来たのか、 そして何を学んだのかをお伝えしたいと思います。
今回の最大の目的はワットバイクの活用方法を学ぶために、 ワットバイクの第一人者であり、スポーツ科学者でもあるエディー・フレッチャー氏にお会いすることでした。 彼はイギリスの自転車競技メダリストの指導もされている程の優秀なトレーナで、 自分のパフォーマンス向上のために是非ともお会いしたいと思っていました。
しかし、滞在時間に限りがあり時間を無駄に出来ない状況でした。
スケジュール的にかなり厳しい内容でしたが、 約13時間の空の旅を終えロンドンに到着し、 今回のプランを実現に至らせて下さったワットバイクのイギリス責任者、ジョン・ウィルソン氏と、フィンランド責任者、ベイッコ・シニサロ氏と合流後、車で4時間掛かてエディ氏のスタジオまで連れていってもらいました。
スタジオに到着し、エディ氏から直接ワットバイクの講義を受けられると期待していたのですが、 そこで行ったことはワットバイクを使用してのトレーニングでした。
念の為持参していたウェアに着替えることになり、 同行してくれたお二人と一緒に 丸一日かけてトレーニング指導を受けることになりました。
指導者の下でトレーニングすることで、ワットバイクの正しい使用方法とその内容の高度さに驚きました。
またそれだけでなく、ワットバイクでの測定値やトレーニングの結果から科学的に自分の身体能力や技術レベルを割り出してくれました。
単純にワットバイクの使用方法を教わるだけだと思っていたので、 ここまでしていただけたことは本当にありがたかったです。
彼の実績も確かに素晴らしいものですが、 その人柄やトレーニングのレベルからも信頼のおけるトレーナーであることがすぐにわかりました。
ただし、ここでの結果は意外なものでした。
近年はパワーの衰えを実感してはいましたが、自分自身はパワーのある選手だと思っていて、技術面こそ改善すべき点があると考えていました。
しかし、エディ氏の科学的トレーニングによると、 自分にはパワーが無く、その代わりにペダリング技術はオリンピックを目指さないことが理解出来ないと言われるほど高いレベルに至っているとのことでした。
パワーに関しては今の弱点とも言える部分を正確に言い当てられ、 技術面に関しては本当に想定外の結果でした。
そして、この結果は独自で行っていたトレーニングが効果的ではなかったことを証明するものになってしまいました。
予想だにしなかった結果でしたが、 あまりにも的確な指摘を受けたことと 自分が信頼できる相手からのアドバイスだったこともあり、 この現実を素直に受け止めることが出来ました。
もしこれが独自のトレーニングで結果を残していた時期であったなら 拒絶してしまっていたかもしれません。
今年になって思うように体が動かせなくなり、 これからの競輪人生について本気で悩んでいたタイミングだったからこそ 素直に受け入れることが出来たのかもしれません。
特に年齢に応じたトレーニングを教われたことが一番の収穫であったと同時にヨーロッパのトップクラスのトレーニングと自分の考えには大きな違いがあったのだと痛感しました。
直接エディ氏の下で指導を受けられたのはこの1日間のみでしたが、 これまでの競輪人生の中で一番濃密な1日となりました。
彼は弱点を改善するための、8weekプログラムを作成してくれ、 更にその後のトレーニング方法も用意してくれました。
今は1月に向け素直にそのプログラムをこなし、 復帰戦からは新しい自分の力を発揮できるようにトレーニングに励んでいます。
もちろんこのプログラムが日本の競輪において必ず効果のあるものかはわかりませんが、 自分自身納得出来る点が多々があり、これを信じてやっていこうと決心しています。
また、一緒にトレーニングを受けたジョン氏とベイッコ氏も本当に尊敬出来る人物でした。
自転車競技の選手ではないのに、トレーニングを受けている時の集中力は 決して一般人が真似出来るものではないと思います。
責任者という立場であるにも関わらず、ジョン氏はイギリス滞在時、付きっきりで自分の面倒を見てくれ、 エディ氏の下に向かう際の車の運転なども全て彼が引き受けてくれました。
またヨーロッパ各国のワットバイク社社長に連絡を入れ、 自分のために会食の場を用意してくれたりもしました。
そしてベイッコ氏に至っては物凄いオーラを発していました。
彼は元々ボートのオリンピック選手で、 引退後はフィンランド、チェコ、ベルギーの3カ国に渡りボート競技のコーチとして活躍されました。
フィンランドのクルーとして携わっていた際は北京オリンピックの 女子軽量級ダブルスカルという競技で銀メダルを獲得させています。
フィンランドのボートチームはボート界では弱小であり メダルはおろか、オリンピックでの活躍は難しいとされていたにも関わらず 銀メダルを取らせてしまう指導力があり、 その手腕が買われてチェコとベルギーではヘッドコーチとして活躍されていました。
もちろんその実績だけでも凄い人なのですが、 彼は昔ながらの日本人に通ずる人情深さを感じましたし 出会った瞬間に尊敬出来てしまう、そんな人柄を纏っています。
そんな彼にこれからの生き方について様々なアドバイスをされ、 改めて勉強になる部分が多々ありました。
この内容に関してはまた後日詳しくお話したいと思います。
長文となりましたがご覧いただきありがとうございました。 復帰に向け今日もトレーニングに励んでいますので これからも応援よろしくお願い致します。
ブログも近日中に更新しますので こちらもよろしくお願い致します。
エディ氏のスタジオ 
トレーニング風景1 左からジョン氏、ベイッコ氏、エディ氏 
トレーニング風景2
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